アナログ原型師が原型を完成させる方法【シルエットを掴む】エア造形

【保存版】煮詰まった原型を完成させる方法では3つのクオリティを上げる方法を紹介しました。今回はその中でシルエットを掴む方法についてご紹介します。

これは一番大事な部分だと思っています。私もよく躓く部分で、奥深いです。
これを読んでみなさんに伝えられるか分かりませんが挑戦してみます。

シルエット

ちょうど小松崎茂氏のイルカがせめてきたぞっ!を作っているので、こちらを例に説明します。原型をくるっと回すとアウトラインが変化します。アウトラインは物の縁です。この変化する輪郭がシルエットです。

イルカがせめてきたぞっ
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見る角度によってシルエットは常に変化して見えます。動画で見ると分かりやすいかも知れません。

シルエットを掴むとは

私の場合、「形の特徴と見所を見つけること」でシルエットを理解しています。私がもしこのイルカを作るならどうするかな。と考えて色んなイルカを写真で見たり実際に海にイルカを見に行ったりして情報を入れます。毎回実物を見に行くわけにはいきませんが、今回はイルカを見に行ける環境だったので実物を見てきました。

エア造形

そして何となく形を頭に描いて粘土を使わずに手でエア造形します。パントマイム造形といえば良いでしょうか。頭の中なので粘土の硬さは自由自在に自分の好きなように作ります。この時に頭の中で一度作って見てまっさらな気持ちで作品を見た時に「私ならここをまず見るな。その次はここを見るな。形をこうするとかっこいいな。」と見所を自分で見つけます。

まとめ

私は頭の中でで形の特徴と見所を見つける事がシルエットを掴むという事かなと思っています。

方法は自由で、私の場合はエア造形とクロッキーを併用してシルエットを掴みます。人によって合う方法は色々なので、何でも試してみると良いと思います。

今回ご紹介したエア造形はここで始めて話すのですが、鑑賞者がどこに注目して見るのか想像する事は私の作業の中で中心になる大事な工程です。この方法は合う合わないがあると思います。私がこの方法について教えて頂いたのは京都にあるアトリエ・フジタの藤田欽平先生なのですが、私が教わった時も正直ふーん。と言う感じで理解できないまま実践しました。

分からないまま見様見真似で実践してみて3ヶ月程してある時ハッと気がついてなるほどこれか。と言うふうに心得たので感覚を掴むまで時間がかかると思います。

エア造形を身につけるとどこでも頭で造形出来るので便利なのでよければ試してみて下さい。

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3月19日〜21日には大阪で教室を開催します。参加者募集を始めました。ご参加を心よりお待ちしております。