フィギュア原型の磨き方|初心者が陥る失敗と成功のコツ

紙やすりの番手について、初心者の時に私が勘違いしていたことがあったので書いておきます。番手は皆さんどうやって選びますか?

やすりをかける時の用途はこの3つなのではないかと思います。

・形を整える事
・表面をなめらかにすること

・表面をザラザラにすること

フィギュアを作られる方は特に上の2つの用途が多いのでは無いでしょうか。私自身が会社で可動フィギュアの原型師として働き始めた時に下積みとして任された仕事がプラモデルの3D出力原型の磨きでした。一週間ほど磨きをしていたのですが、その時に得たノウハウは今でも私の中で活きています。

学んだ中で特に大事だったのはやすりの番手の選択でした。

よくある失敗

細かいヤスリで失敗

番手の選択に間違えやすいポイントがあります。それは始めから細かい番手で始めてしまう事です。これはどんな物を仕上げるかによって適切な番手が変わるので具体的な数字を書くのはやめておきますが、細かい番手を選ぶと起こりやすい失敗があります。それは凹凸の凸の先だけをなでてしまう失敗です。図を見ると分かりやすいと思います。図の線はやする面の断面図です。

ガレージキット教室

このように細か過ぎるやすりを使うと凸の先を削ることしか出来ず、きれいな面を出すことが出来ません。

粗いヤスリで失敗

逆に粗いヤスリを使うことで失敗することもあります。それは粗いヤスリで削り過ぎる失敗です。粗いヤスリは一回使うごとに細かいヤスリよりも削る力が強いです。なので、やするときには力が強すぎないか。削り過ぎていないか指で確認しながらやする事が失敗を防ぎます。

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磨き成功のコツ

磨きの一番のコツは出したい形をイメージすることです。「なんで磨きに形をイメージする必要があるの?表面を磨くだけなのに。」と思われる方もいらっしゃると思うのですが、実はこれが本当に大事なことなのです。

「出したい形をイメージする」とは、作品全体を大きく捉えて、磨く部分が作品全体にとってどういったパーツなのかを確認し、その中で磨く部分はどのような表面なのかをイメージすることです。

このイメージを元にどこを削ってどこを埋めるのかを決めていきます。

1、断面を頭で確認する

2、出したい形のイメージに合わせて表面のラインを決める

3、余分な出っ張りをヤスリ落とす

4、凹んでいる部分にパテを埋める

5、余分なパテをヤスリ落とす

光を当てて陰影を確認する

もう一つの大事なコツは光を当てて陰影を確認する事です。これは実際に原型の会社で働くまで知らなかったのですが、皆さん原型師の方は原型をスポットライトに当てて陰影を確認しながら磨いていました。光を当てないと気が付かない部分は多くあるので、磨きがうまくいかない。と悩まれている方は光を当ててみると解決するかも知れません。

まとめ

今回は私の失敗と気付きを元に原型の磨きについて書いてみました。私もまだまだなのですが、ものづくりをされる方のお役に立てればと思います。

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