アナログ原型師が使う木パテとポリパテを使ったガレージキットの分割方法【後編】

ガレージキットの分割方法について前篇と後編に分けて書きます。
【前編】はこちらガレージキットの分割方法【前編】

前回のおさらいと後編の内容

前回は鋸で分割し、分割面に木パテでダボをつくりました。
今回はダボを嵌める凹面をモリモリパテ(ポリパテ)で作っていきます。

イルカがせめてきたぞっ
イルカは2022年2月6日のワンダーフェスティバルで販売予定です。

前回はここまで進みました。

イルカがせめてきたぞっ

穴を空ける

底面に穴を2箇所開けます。

イルカがせめてきたぞっ

底面から斜め下に穴を貫通させます。

イルカがせめてきたぞっ

ワセリンを塗る

ダボの付近にたっぷりとワセリンを塗ります。
ワセリン専用の筆を用意して細かいところも塗り残しの無いように塗ります。

イルカがせめてきたぞっ

パテの準備

パテ革命モリモリを適量取り出し、シリコン台の上で硬化剤と混ぜます。
慣れないうちは適量が分からないと思うので、思っているよりも多めに使いましょう。
多いのは問題ないですが、少なすぎるとやり直しになります。

パテ革命モリモリ
私はモリモリパテを瓶に詰め替えて使っています。

手早く硬化剤を混ぜ合わせます。

ポリパテ

瞬間接着剤を混ぜたパテに加えます。
接着剤を入れて少し硬めのケーキのクリームに似たテクスチャになればOKです。
固くてボソボソしていれば、接着剤を足して質感を調整します。

瞬間接着剤

↓このような流動性の高い瞬間接着剤だと粘度を調節しやすいです。

パテ詰め

スパチュラで凹面の穴にパテを詰めます。

イルカがせめてきたぞっ

穴の位置とダボの位置を確認します。

イルカがせめてきたぞっ

押し込む

ムニッと押し込みます。
このときに前編で分割する際に手で折って処理した断面がぴったりとくっついているか確認します。
図のように余分なパテが穴からでてきて、手で折った断面がぴったりくっつけば成功です。

イルカがせめてきたぞっ

焼く

120度で10分焼きます。
今回は焼いてから20分ほど放置しました。
パテは焼いてから冷める間にも硬化が進んでいます。
室温に冷めるまでに触ってしまうとパテがの硬化が追いつかずに失敗する原因になります。

焼いてからすぐに取り出さずにオーブンの蓋を開けてしっかり冷めるまで待ちます。

イルカがせめてきたぞっ

今回はしっかり固めたい場面なのでこちらの解説よりも焼く時間を長めにしています。
【解説動画付き】原型師が使うパテ革命モリモリを5分で固める裏技

完成

原型が冷めてから取り出し上下に軽く引っ張ると外れました。
綺麗に凹面が出来ました。
断面はまだ荒いですが、こちらが分割の基本です。

イルカがせめてきたぞっ

気をつけるポイント

ポリパテの粘度とパテを逃がす穴の大きさの選択が大事なところです。
この穴の直径で、この粘度のパテが無理なく抜けるか?と考えて調整すると失敗しにくいです。
ポリパテの粘度を下げるには瞬間接着剤を増やします。
※ポリパテをシャバシャバにし過ぎると失敗の原因になります。

ポリパテを混ぜてから凸面を押し込むまでにゆっくりしているとポリパテの硬化が進み穴からパテが抜けにくくなります。
パテが固くなって失敗しそうなら穴からスパチュラでパテを掻き出してパテを作るところからやり直します。

さいごに

分割はケースバイケースで色んな方法があるのでこうしないとダメということは有りません。
使いやすい素材で良い方法を選択すると良いと思います。

今回は初心者の方にとっては難易度の高い内容でした。
失敗してもやり直せますので何度も挑戦してコツを掴んでみてください。

前編

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