ガレージキットの分割方法について前篇と後編に分けて書きます。
分割
こちらの小松崎茂氏作画のイルカがせめてきたぞっのイルカを分割します。
糸鋸を使います
分割のラインをぐるっと一周5ミリ程の深さに削り、イルカの背びれを上にして体の半分まで刃を進めます。
今回は原型の素材がスカルピーです。
比較的柔らかい素材なのであとはポキっと折りました。
凸面に木パテでダボを作る
エポキシパテ木部用を適量取り出し手袋をはめて練ります。
このときの手袋はニトリルゴムの手袋がお勧めです。
木パテのパッケージにも手袋が付いてきますが、付属の手袋は練るうちにパテが手袋にくっついてしまうので繰り返し使えるこちらの手袋をお勧めします。私の使っているものは画像のものです。
⚠︎パテを練る時は手袋にワセリンを塗らないでください。硬化不良の原因になります。
鋸の刃で半分切った面に瞬間接着剤を数滴のせてからパテを乗せます。
ワセリンを薄く付けたスパチュラでパテの形を整えます。
このときの形はイルカの腹に台形を被せたようにします。
あまりダボを長くしない方が複製で失敗を防ぎやすいです。
ダボの角は鋭角になりすぎないように少し指かスパチュラでならします。
オーブントースターで120度にして10分加熱します。
凹面を削る
凹面の穴を彫刻刀で彫ります。
私は丸刀と平刀で彫りました。
スカルピーは柔らかいので簡単に削れますが硬い素材の場合はリューターを使います。
穴のサイズはダボより一回り大きく作ります。
凸面の木パテが硬化したら面を合わせて見ます。引っ掛かりなく嵌ればOKです。
この時注意して見るべきなのは鋸の刃を入れずに手で折って処理した面です。
ここがピッタリと合っていれば分割前とプロポーションが変わっていない証拠です。
つまずくポイント
私もそうだったのですが、初心者の頃は分割の時にモチーフの身長が伸びたり縮んだりしてしまう事が多いです。
今回使った途中まで鋸で切って手で折る方法ではこのような失敗が起こりにくい方法だと思います。分割が苦手だという方に試してみて欲しい方法です。
但し今回は原型の材料が比較的柔らかく脆いスカルピーだから手で折ることができました。
同じスカルピーを使っても焼成の具合や形状によって折れ方が変わるので、このテクニックが使えそうだな。という時に使ってみて下さい。
スカルピーより硬くて粘りのある素材の場合は出来るだけ薄い鋸刃で分割すると失敗しにくいです。モチーフの身長を確認するにはノギスを使うと便利です。
距離を測るには小さめのノギスが便利です。
私はこれを使っています。
後編
後編ではポリパテを使って凹面の処理方法をご紹介します。
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