らしさをつかむ
私はいつもイラスト作品やモチーフを元に立体作品を作る時に気を付けている事があります。
それは
その物らしさをつかむことです。
違う言い方では「それっぽさ」をつかむ事です。
例えばカラスを造形するなら、カラスらしさを掴みたいと思います。
カラスの場合「その物らしさ」「それっぽさ」とは何でしょうか。
それを考える事が、造形だと思っています。
粘土を触る前に造形は頭で始まっていて、初めは頭で作ります。
まずは単純に、大きいシルエットを眺め、そう言えば大きい鳥だな。とか、声が大きいし、賢そう、嘴が太い、真っ黒、足がしっかりしてる。ちょっと怖い。とか単純に印象を頭に浮かべます。
この時は人生で初めてカラスを見るような気持ちでカラスを見ようとします。
その気持ちが一番大事です。
この時に感じたことが自分で造形できる頂点だからです。自分がカラスを見たときにカラスから何を受けとるかで、何が表現されるかが決まってしまいます。
これはカラスを例えに使っていますが、何を作るにも共通して使える方法です。
よくある勘違い
一般に造形や表現が優れている人はテクニックが優れていると思われがちです。
もちろんテクニックは表現に欠かせないのは確かです。
ですがそれよりも大事なことが有ります。
それは特徴を捉え、感じ取る心です。
例えばかっこいいキャラクターはかっこよく。
可愛いキャラクターは可愛く。
どこまでもかっこいいな、ここがこうなってるからかっこいいんだな。この耳から顎のラインがシャープでかっこいいな。という風に具体的に言語化出来るくらい感じとる事です。
本当に上手い人は、それを言語化するよりも造形に上手く表現します。
私もまだまだですが、自分の感じ取れるだけを受け取ろうとモチーフに向き合っています。