【保存版】煮詰まった原型を完成させる方法では3つのクオリティを上げる方法を紹介しました。今回はその中で原型の先端を仕上げる方法についてご紹介します。
先端を仕上げるとは
造形が上手い人は手足を作るのが上手です。人は物を見た時に物の先端、人ですと手足や頭、髪の先に注目します。先端をよく観察して作ると原型のクオリティーを底上げしてくれます。
私が作る際に気を付けている2つのポイントについてご紹介します。
静と動
物には形に静と動があると思っています。リラックスと緊張と言い換えると分かり易いかも知れません。力を抜いてリラックスしているのか、戦う為に拳を握っているのか。作る作品の状況に合わせて臨場感のある形をイメージします。状況になりきって資料写真を撮ると参考になります。
手や足、顔の表情や状況を伝える上でかなり重要です。
デッサン
実物を見たり、参考資料を見て紙に描いたりします。実際に作った形をイメージして角度を変えてどう見えるかを頭の中で360度何となくイメージします。
イメージできたら実際に作ってみます。上手く作ろうと考えずとにかく見えたままに作る事です。
実力を上げたい。と思われている方には一度実寸で作る事をおすすめします。一度実寸で作れば少し自信が付きます。私も去年に実寸で顔と手を作ったのですが、以前より苦手意識は減りました。
おすすめ資料
私も人体は形が複雑で捉え方が分からず何冊も本を買いました。その中でよく参考に見ている本はこちらです。
筋肉や骨格の構造を何となく理解したい場合は左の本がおすすめです。私はこれを読んで筋肉を塊として認識できて苦手意識が減りました。あとの2冊は模刻する方法が載っています。
スカルプターのための美術解剖学
ポートレートスカルプティング
フィギュアスカルプティング
私は右の2冊を読んで実寸で手と顔を作りました。模刻の方法や大きな作品の型取り方法などを丁寧に書いてあります。実寸で作ってみたい。実力を一段上げたい。という方におすすめしたい本です。
写真に撮り忘れましたが、下のスカルプターのための美術解剖学2は顔の表情に特化しています。顔を作る時はよく見る資料です。
まとめ
あまり上手く作ろうと思わずに、ありのままを観察してそのままを写し取る気持ちが上手くなる近道だと思っています。
日本一早く“3日間”で原型からガレージキットを作る初心者向け教室では生徒さんの作るモチーフに合わせて特徴の捉え方をレクチャーします。デッサンする時どのように考えて手を動かすのか。等ブログでは書いていない事もお話します。2/11日から13日に浅草で行う教室では参加枠残り1名様となりました。引き続きご参加をお待ちしております。
前回はアナログ原型師が原型を完成させる方法【情報の密度が高い部分を仕上げる】を書きました。次はシルエットの捉え方について書こうと思います。
新年のご挨拶