こんにちは。怪奇里紗です。
今回は、私が作ったオリジナルのソフビ人形「ぬっぺっぽう」を例に、個人でもできるソフビ人形の作り方について、ざっくりと解説していきたいと思います。
「ソフビって何?」という方でも分かるように、全体の流れをシンプルにご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
はじめに:自己紹介
私は2024年11月29日に「合同会社怪奇工房」という会社を設立し、それ以前からガレージキットやソフビ人形の制作・教室運営を行ってきました。
元々はディーラーとしてガレージキットを作っていた作家で、現在はオリジナルのソフビ人形を企画・制作・販売したりソフビ人形を作る教室を行なっています。
ソフビ人形とは?
「ソフビ人形」は、ウルトラマンや怪獣などにも使われているソフトビニール製の人形です。
素材は柔らかめにも硬めにも調整でき、水に濡れても問題なく、耐久性の高い製品になります。
ソフビ制作の流れ概要(原型から金型まで)
今回は、ざっくりとした流れをお伝えします。詳しい内容は今後の動画でも解説予定です。
1. 原型を作る
原型はスカルピーなどの樹脂粘土や、3Dプリンターで出力したものを使います。
使用する粘土は、焼いて硬化するもの、または固まる性質のある粘土がオススメです。油粘土のように柔らかすぎる素材は向きません。
※スカルピーとは…トースターで焼くと硬化するグレーの樹脂粘土のこと。
2. 分割を考える
ソフビは指人形のように、閉じた一体構造にはできないため、パーツを必ず複数に分割する必要があります。
たとえば頭と体、腕と体など、最低でも2つ以上のパーツで構成するのが基本です。
3. ワックス原型に置き換える(ワックス転換)
作った原型を、そのまま同じ形でワックス(ロウ)に置き換えます。
これを「ワックス転換」と呼びます。最終的にこのワックス原型が、金型制作の元になります。
4. 嵌着(かんちゃく)の設計
嵌着とは、パーツ同士をはめ込んで接続する構造のこと。
ソフビ人形は接着剤を使わずに組み立てるため、内部でパーツが引っかかるような構造を設計しておく必要があります。
たとえば腕のパーツを胴体にはめ込む場合、内側にすぼまりと広がりを作っておき、「回せば外れない」ように設計します。
5. 湯口(ゆぐち)の設計
湯口とは、ソフビ成形の際にビニール樹脂を流し込むための通路です。
金型に流すための入り口なので、どこに湯口を作るか、どのように設計するかも重要です。
湯口の位置が悪いと成形不良の原因になります。湯口設計は経験が活きるポイント。
まとめ
今回は、ソフビ人形を個人で作るための大まかな工程についてご紹介しました。
即興の解説でしたが、少しでも「作ってみたい!」と思っていただけたら嬉しいです。
今後は、それぞれの工程をより詳しく解説する動画や記事も制作予定です。お楽しみに!
関連リンク
YouTube動画でもこの内容をより詳しくご紹介しています。ご興味あられましたらぜひご覧くださいませ。